TOMOYUKI MURASHIMA
     村島 智之

  みんなへ。

  さっき不思議な体験をしたよ。

  自分の意思とは関係なく手がボールを握っていた。
  僕が気がつく前にそれを投た。
  久しぶりだったので手は嬉しそうだった。
  早くお風呂に入って、バイト前にひと休みしたいのにと思ったけれど、
  手はやめてくれなかった。
  そして突然、今まで一度もしたことのない動きをした。
  僕は驚いたけれど、手は驚いてなかった。
  それはこの二ケ月何度トライしても、
  その軌跡すら理解できない動きだった。
  手はほくそ笑んで言った。

  「これがお前が俺にやらせようとしていた動きだよ。」

  僕は嬉しかったけど恐くもなった。

  手が勝手に動いたんです。
  ボールだけの話にしたい。